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院長ブログ

ハイドロキノンの正しい使い方

ハイドロキノンの正しい使い方

 

ハイドロキノンのリスクを理解する

こんにちは、院長の前田です。

 

米国では化粧品に配合できるハイドロキノンの濃度は2%までと決められていますが、日本では化粧品に配合できるハイドロキノンの濃度はまだ規制されておらず、高濃度の化粧品も購入が可能です。

 

しかし、ハイドロキノンには細胞毒性や副作用もあり、使用方法を間違えると皮膚に悪影響を及ぼします。

 

お肌をキレイにするためにハイドロキノンを使うわけですから、使った結果、お肌のコンディションを悪くしてしまっては意味がありませんので、リスクや副作用を理解して正しく使うことが重要です。

 

 

適正なハイドロキノン濃度

ハイドロキノンは、濃度が高くなるほど漂白効果は高くなりますが、副作用の出現頻度も比例して高くなります。

漂白効果と副作用のバランスを考えた時、推奨される濃度は4%程度と考えられています。

 

肌状態はお一人お一人それぞれ異なりますので、それより低い濃度が合う人や、高い濃度でしか効果は得られない人もおられますが、当クリニックは4%のハイドロキノンクリームを採用しております。


多くのシミはハイドロキノン単独では効果が得られにくく、お顔全体の美白を目的として使用する場合なら、ハイドロキノン単独でもよいかもしれませんが、「このシミを取りたい」と考えている場合は、ハイドロキノン単独での効果は限定的で、トレチノインとの併用が必要となります。

 

尚、トレチノインは処方薬で、現状では医療機関でしか購入できません。

 

 

ハイドロキノンの正しい使い方

ハイドロキノンを使い始める時には、敏感肌やアレルギーをお持ちの方は、腕などに塗ってかぶれないかを確認してから使用することを推奨しています。

いわゆるパッチテストですね。

 

特に、濃度が高いものはかぶれやすいので、初めて使用する際は腕などの目立たない部位に塗り、1日経ってもかぶれていないことを確かめてからの使用をお勧めします。

 

ハイドロキノンは、基本的に1日1回、夜の洗顔後に使用します。

なぜなら、ハイドロキノンは紫外線に当たると、逆にシミを濃くしてしまうので、朝の洗顔後に塗ることは避けていただいています。

 

ハイドロキノンを使用している間は、UVケアが大事で、SPF20以上の日焼け止めを必ず使用するようにしてください。

トレチノインと併用する場合は、先にハイドロキノンを塗り、その後にトレチノインを塗ります。

 

また、ハイドロキノンは酸化、変性しやすい成分ですので、冷暗所に保存するようにし、開封後は早めに使用しましょう。

使用期限は各商品によって異なりますが、変色したものは美白効果が落ちて、成分変化を起こし刺激物質となることもありますので、使用しないでください。

 

 

注意すべき副作用

ハイドロキノンの治療初期には、皮膚に赤みが生じたり、ヒリヒリとした違和感を覚えたりすることがあります。

原因の多くは、ハイドロキノンの強い刺激によって引き起こされる炎症です。

 

治療を続けると肌に耐性ができ、数週間を過ぎた頃から症状が徐々に引くケースもありますが、赤みや痛みが強い場合は使用を中止し、様子を見て、症状が何日も引かないようであれば、アレルギー反応を起こしている可能性が高いですので、クリニックにご連絡ください。

 

また、ハイドロキノン使用時は、かぶれと白斑にも注意が必要です。

細胞毒性のある刺激の強い塗り薬なので、4%以上になると刺激が強く、かぶれの頻度や程度も高くなります。

 

期限を区切らずハイドロキノンを長期に使用すると、白斑が出現するリスクが高くなったり、耐性が出来て効果が出にくくなることもあります。

 

濃度の濃いものは発ガン性のリスクも出てきますので、ハイドロキノンを3ヶ月以上使用しても効果が乏しい場合は使用を止めて、レーザー治療などの別の治療方法を考えることが肝要です。

 

 

ハイドロキノンの適応範囲を知る

ハイドロキノンは手軽に使用できる美白剤ではありますが、効果が期待できるシミは限られており、あくまでも美白剤としての位置付けであることを理解しなければなりません。

 

お肌をキレイにするために使用したはずが、逆にかぶれたり、シミが増えることになったら本末転倒ではないでしょうか。


ハイドロキノンは決して万能薬ではありません。

 

手軽に入手できるからこそ、正確な知識を身につけ、正しく使用することが何より大切なのです。

 

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